ある市町村道の道路改良工事で、切土のり面を造成する際の補強を「切土補強土工法」で計画している。設計は「切土補強土工法設計・施工要領」を参考文献として行っており、その中で協議なしで補強斜面の計画安全率を以下を参考に1.20に設定し計画を進めた。
表4.4.1 補強斜面の計画安全率 |
項目 |
計画安全率 |
永久(長期) |
Fsp≧1.20 |
仮設(短期) |
Fsp≧1.05,1.10 |
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これは本来協議事項である。同指針では上表も高速道路本線の永久のり面ということを基本としており、それ以外の場合はそれぞれの計画安全率によった方がよいと思われる。通常、市町村道でのり面崩壊対策工事に用いられる出来上がりのり面の計画安全率は、本来行政サイドの管理事項であり、打ち合わせと確認が必須である。
全国防災協会が行っている災害復旧技術講習では以下の値が参考とされている。
重要な道路、河川、人家等に重大な影響を与える箇所 |
Fsp≧1.20 |
主要地方道、一般県道 |
Fsp≧1.15 |
市町村道 |
Fsp≧1.12 |
応急工事 |
Fsp≧1.05 |
協議などを行った場合、本表に合わせた計画安全率となっている場合が多いようである。 |